ふれあい日記

《桑の実寺桑酒訪ねて》

その名もずばり "桑の実寺"(桑實寺) その由来を「桑の文化史」(郷土出版社)で読み 「室町絵巻の魔力」 (吉川弘文館)の中に "桑の実寺縁起絵巻" を見て お参りに行きたくなりました。


桑の実寺は 滋賀県安土にある繖(きぬがさ)五山の一つで 白鳳6年(678年)に天智天皇の勅願寺院として 藤原鎌足の長男 定恵和尚が創建し ご本尊は薬師如来です。

寺院は 定恵和尚が 唐より桑の実を持ち帰り この地で栽桑、養蚕を始めた故事により 繖という文字は 糸偏に散と書き、蚕が口から絹糸を散らし 繭を懸けることにつながるそうです。


本堂は 室町時代に建立、織田信長が安土城築城の際に修理再建 保護を受け 戦火を受けずに建立当時の姿を残した 国指定の重要文化財です。

縁起絵巻のパネルが お堂の中に飾られています。 海中から桑の巨木が生え出で たちまちのうちに桑の木に三個の実がなり そのうちの一つは金色の鳥に変じ 一つは玉兎に化し もう一つは地に落ちて山となり それが繖山で、金鳥、玉兎は 日光、月光菩薩の化身ということです。


山裾より自然石で造られた 急な500段余の石段が本堂に続いています。 山門に用意された杖をつき 室町時代に思いを馳せ 一段ごと踏み外さないように登り やっと参拝ができました。


安土につづく 北国街道 木の本宿へ 名産"桑酒"を求めに 山路酒造へ行きました。

お酒を造って460年余りの店は 代々続く看板、縄のれんなどがあり 歴史を感じる佇まいです。

桑酒は 桑の葉、近江米、麹を 焼酎に漬け込み 伝統みりんの製法で作られ ほのかな香りと少しの
甘さが 食前酒、寝酒にぴったりです。


ちょうど今 安土では 織田信長が築城した、巨大な安土城を託された 天才宮大工の物語
 "火天の城" が上映されているので "信長の館"などで  特別展が開かれ 賑わっていました。

多くの人々が 安土を訪れ そして 桑の実寺を お参りすることを祈ります。    (09年9月)  合掌


桑の実寺 参道の石段
参道の石段

山門
山門

本堂
本堂

本堂の中
本堂の中

縁起絵巻
縁起絵巻

山路酒造 桑酒のいろいろ
桑酒

山路酒造と桑の木
山路酒造

桑酒立て看板
看板



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